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長期療養児の自立・コミュニティ創出支援事業「TEAMMATES」活動レポート【No.3】

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2022.12.02

千葉ロッテマリーンズに“入団”したKANTA選手が、無事に修了式を迎えました。

これまでを振り返ると、たくさんの名場面がありました。
はじまりは、6月11日(土)にZOZOマリンスタジアムで実施した入団会見。「自分が頑張って応援することで、選手にやる気や元気を与えられるようなチームメートになりたい」と、緊張しながらも堂々と意気込みを語り、マリーンズに頼もしい選手が加わったことは大きな話題となりました。

その後は、めまぐるしい日々が過ぎていきました。チームメートと交流を図りながらの練習補助、ボールボーイ、名鑑写真撮影、取材対応、5回裏の花火カウントダウン、ヒーローインタビューへの参加など、数々の挑戦をしました。
二軍のロッテ浦和球場でも、練習参加、ブルペン見学、食堂メニューを経験。選手寮では佐々木朗希投手との心温まるエピソードが生まれ、浦安市で開催したイースタン・リーグ公式戦では円陣の声出しをして仲間を勇気づける一幕もありました。
また、小学生であるKANTA選手は、夏休みの自由研究でマリーンズに関する様々な職業を取材。“選手”になったからこそ見える景色がたくさん広がっているようでした。

大一番となったのは、8月28日(日)のZOZOマリンでの始球式です。野球の技術は「マリーンズ・ベースボールアカデミー」校長を務める武藤一邦コーチに教わっていましたが、大役を務めることが決まってからは、活動日以外も公園で練習を重ねたというKANTA選手。当日、「心臓がバクバクで飛び出しそう」と直前まで話していましたが、いざ本番となり、マウンドで投じたのは素晴らしい一球でした。本人も「今日のために何回も何回も投げて、その成果がノーバウンドのボールになったので、やっぱり努力は大切だなと思いました」と納得の表情で振り返りました。

練習の様子や始球式の様子を含めた活動レポートVol.2はこちら

KANTA選手が最後の活動を行ったのは、11月20日(日)のファン感謝デー「MARINES FAN FEST 2022」です。
球場入りしたときから、「めっちゃ楽しみ!」と元気いっぱいだったKANTA選手は、グラウンドで開催した数々のイベントに参加。マイクパフォーマンスでもスタンドを沸かせ、背番号“10”をつける選手として、存分にファンサービスの時間を堪能していました。
イベント終了後は、「ファンの人がたくさん来ていて、いつもと違って人前でしゃべることも新鮮で、こんな機会があって嬉しかった」と楽しめた様子でした。

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そして、活動の締めくくりは、ファン感謝デーのプログラムに組まれた修了式。
一生懸命準備した言葉を大観衆の前で堂々と話しきったKANTA選手は、ベンチ前でチームメートに温かく迎えられました。

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マリーンズの“選手”として過ごした全ての日々を、KANTA選手はこのように表現します。

「最高でした。全部楽しかったです。みんな優しくて、シーズンの途中から入ってきた僕でもすぐにチームに溶け込めて、打つのも投げるのも上達しました。(マリーンズのことが)好きになったので、これからもテレビや球場で応援して戦力になりたいし、機会があったら、またここに来て選手たちと話したいなと思っています」

入団会見で語っていた、「自分が頑張って応援することで、選手にやる気や元気を与えられるようなチームメートになりたい」という目標。
 活動を終えた今、それを達成できたかと尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「かなえられたと思うし、最終的に元気をもらえたのは僕の方でした」

別れのとき、KANTA選手も、ご家族の皆さんも、関わった球団関係者も、全員が名残惜しい気持ちでいっぱいになりました。いつでも果敢に挑戦し続けるKANTA選手の姿は、チームメートの心を動かしてくれました。
また必ず会うことを約束し、球団初となるTEAMMATES事業はひとつの区切りを迎えました。一緒に過ごした日々が人生の素敵な思い出になることを願い、マリーンズ一同、これからもKANTA選手のことを応援しています!

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文:長谷川美帆(千葉ロッテマリーンズ オフィシャルライター)

TEAMMATES とは?

球団の社会貢献プロジェクト「MARINES LINKS」は、認定NPO法人Being ALIVE Japanが企画・運営する「TEAMMATES(チームメイツ)」事業に参画しました。パートナー企業である株式会社リンクス・ビルドと共に、長期治療を必要とする子どもの自立支援とコミュニティ創出の支援をする、プロ野球界では初の取り組みです。
小学5年生の宇都宮幹汰くんは、急性リンパ性白血病で長期療養中です。2022シーズンが終了するまで、ZOZOマリンスタジアムやロッテ浦和球場で活動をしました。

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