中小企業の採用が難しい4つの理由と打ち手|データで見る現状

中小企業の採用が難しい4つの理由と打ち手|データで見る現状
「求人を出しても応募が来ない」「内定を出したのに辞退された」「やっと採用できた若手が数年で辞めてしまう」。中小企業の経営者や採用担当者から、よく聞かれる悩みです。

この記事では、中小企業の採用が難しい理由を、公的な統計や民間の調査データで確認します。そのうえで、理由を知名度・待遇の比較・選考中の辞退・入社後の定着の4つに分け、自社がどこで止まっているかの見分け方と、それぞれに効く打ち手を紹介します。

この記事でわかること

  • 求人倍率や採用充足率など、データで見る中小企業の採用の現状

  • 中小企業の採用が難しい4つの理由と、自社がどこで止まっているかの見分け方

  • 知名度・待遇・辞退・定着のそれぞれに効く打ち手

中小企業の採用はなぜ難しいのか|データで見る現状

一言でいえば、働き手1人に対する求人の数が、中小企業ほど多いからです。人手不足の企業が多いなかで、学生や求職者は大企業に集まり、中小企業は少ない人数を多くの会社で取り合っています。

新卒の求人倍率は、300人未満の企業で8.98倍

リクルートワークス研究所の調査では、2026年卒の大卒求人倍率は、従業員5,000人以上の企業が0.34倍だったのに対し、300人未満の企業は8.98倍でした。大企業では1つの求人に約3人の学生が集まる一方、中小企業では学生1人に対して約9件の求人がある計算です。全体の求人倍率も2027年卒で1.62倍と、学生より求人のほうが多い状態が続いています。

参照:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」、リクルートワークス研究所「第43回 ワークス大卒求人倍率調査(2027年卒)」

半数の企業が「正社員が足りない」

帝国データバンクが全国の企業に聞いた調査(2026年7月、有効回答1万518社)では、正社員が不足していると答えた企業が51.3%でした。7月としては4年連続で半数を超えています。人を採りたい会社が多いほど、求職者は会社を選べる立場になります。

参照:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」

計画どおりに採れた企業は半分に届かない

リクルート就職みらい研究所の「就職白書2026」によると、2026年卒の新卒採用で、採用数が計画どおりか計画より多かった企業は44.2%でした。半数以上の企業が、予定の人数を採れないまま採用活動を終えています。規模別では、5,000人以上の企業が54.9%だったのに対し、300人未満の企業は40.5%でした。

採れなかった理由も、規模によって違います。300人未満の企業では「選考応募者が予定より少なかった」が77.4%にのぼり、ほかの規模の企業より高くなっていました。大企業では内定辞退が計画割れの大きな原因になっているのに対し、中小企業では選考に進む人数そのものが足りていないのです。

参照:リクルート就職みらい研究所「就職白書2026」

中小企業の採用が難しい4つの理由

採用は「社名を知ってもらう」「条件を比べてもらう」「選考で理解してもらう」「入社後に定着してもらう」の順に進みます。中小企業は、この4つの場面で大企業と同じやり方をすると分が悪くなりがちです。裏を返せば、力を入れるべき場所がこの4つに絞られているということでもあります。

理由1:社名を知られていない

求職者は、知らない会社を応募先の候補に入れにくいものです。求人サイトに何百社も並ぶなかで、社名を見たことがない会社の求人は、条件を読まれる前に見落とされがちです。裏を返せば、社名を知ってもらえれば、それだけで候補に入る可能性を大きく広げられるということです。

マイナビの「2027年卒 企業新卒採用活動調査」では、採用活動の問題点として「企業の知名度が低い」を挙げた企業が、従業員300人未満では30.6%で、1,000人以上の企業(23.2%)を上回りました。インターンシップの問題点でも、300人未満の企業の32.3%が「企業の知名度が無い」と答えています。採用の入口である説明会やインターンシップの段階から、社名の差が効いています。

参照:マイナビ「2027年卒 企業新卒採用活動調査」

理由2:給与や制度を大手と並べて比べられる

応募を検討する段階になると、求職者は給与・休日・福利厚生を複数の会社で見比べます。同じ表に並べると、会社の体力の差が条件の差として目立ちやすくなります。

初任給は、多くの中小企業が引き上げています。先ほどのマイナビの調査では、2027年卒の総合職の初任給を引き上げた企業は、300人未満でも88.5%でした。それでも平均支給額は、300人未満の企業が234,662円、1,000人以上の企業が251,828円と、規模による差は残っています。

参照:マイナビ「2027年卒 企業新卒採用活動調査」

ただし、学生が見ているのは条件だけではありません。マイナビの「2027年卒大学生就職意識調査」では、大手企業を志向する学生が50.9%いる一方、中堅・中小企業を志向する学生も44.0%いて、2年続けて増えています。もっとも多い答えは「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」(36.4%)でした。条件表に載らない「仕事の中身」を伝えられれば、中小企業を選ぶ学生は少なくありません。

参照:マイナビ「2027年卒大学生就職意識調査」

理由3:選考の途中や内定後に辞退される

応募が集まっても、選考の途中や内定を出したあとに辞退されることがあります。求職者は複数の会社の選考を同時に進めているため、仕事の中身や職場の様子が伝わっていない会社は、比べる段階で印象に残りにくくなります。

マイナビの同じ調査では、従業員300人未満の企業のうち、内々定を出した学生の半数以上に辞退された企業が26.8%ありました。選考に進むよう連絡した学生の半数以上が、選考を辞退した企業も21.1%あります。応募者の少ない中小企業にとって、1人の辞退の重みは大企業よりずっと大きくなります。

参照:マイナビ「2027年卒 企業新卒採用活動調査」

理由4:入社しても定着しない

採用できても数年で辞めてしまえば、同じ募集を毎年くり返すことになります。採用にかけた費用と時間が積み上がらず、教える側の社員の負担も減りません。

厚生労働省の調査では、2022年3月に大学を卒業して就職した人が3年以内に辞めた割合は、全体で33.8%でした。従業員規模別に見ると、従業員が1,000人以上の企業では27.0%だったのに対し、従業員が30〜99人の企業では41.9%、従業員が5〜29人の企業では52.0%と、規模が小さいほど高くなっています。高校を卒業して就職した人でも、従業員が1,000人以上の企業の26.3%に対して、従業員が5〜29人の企業では54.6%でした。

参照:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

自社はどこで止まっているか|4つの理由の見分け方

4つの理由のうち、どこで人が減っているかによって、打つべき手はまったく違います。応募が来ないのに内定者フォローを厚くしても、辞退が多いのに求人広告を増やしても、効果は出ません。まずは、次の数字を前年と比べてみてください。

  • 応募数・説明会の参加者数が少ない:理由1(知名度)で止まっています

  • 求人を見た人は多いのに応募が少ない:理由2(条件の比べられ方)で止まっています

  • 選考辞退や内定辞退が多い:理由3(選考中の理解不足)で止まっています

  • 入社3年以内に辞める人が多い:理由4(定着)で止まっています

中小企業は、採用を担当する人が1〜2人で、ほかの仕事と兼ねていることがほとんどです。4つを同時に直そうとせず、いちばん人が減っている段階から手をつけます。特に理由1で止まっている場合は、そのあとの段階をいくら整えても、そもそも比べてもらう人が増えません。

中小企業の採用を成功させる打ち手

ここからは、4つの理由に1つずつ対応する打ち手を紹介します。いずれも、大企業と同じ土俵で条件を競うのではなく、中小企業だから出せる材料を増やす方向の打ち手です。

打ち手1:求人を出す前に、社名を知ってもらう

知名度で止まっているときに求人サイトを増やしても、社名を知らない人には見つけてもらいにくいままです。求人を見る前の日常のなかで、社名を目にしてもらう機会をつくることが近道です。たとえば、次のような方法があります。

  • 大学・高校との関係づくり:キャリアセンターへの訪問、授業やゼミへの協力

  • 地域での露出:地元のイベントやスポーツチームへの協賛、駅や道沿いの広告

  • 社員による発信:採用サイトやSNSで、社員の仕事や一日の流れを見せる

スポーツへの協賛には、社名を知ってもらう以上の効果もあります。電通の「スポーツ総合調査2025」では、企業名を知っているだけの人に比べて、その企業がスポーツに協賛していることまで知っている人は、企業への好意や利用意向が約10ポイント高いという結果が出ました。この差は10〜20代で大きく、「この企業で働きたい」と答えた割合も10〜20代で高くなっていました。社名を知ってもらう方法全体は、会社の知名度を上げる方法で紹介しています。

参照:電通「スポーツ総合調査2025」

打ち手2:条件表に載らない材料を増やす

給与の差を一度に埋めるのは難しくても、求職者が比べる材料を増やすことはできます。中小企業が出しやすいのは、次のような情報です。

  • 任される範囲:入社1年目から担当する仕事、3年目で任される仕事

  • 決まるまでの速さ:提案してから実行するまでの流れ、社長や役員との距離

  • 働く場所:転勤の有無、通勤のしやすさ、地元で働き続けられること

  • 取引先と地域での立ち位置:どんな会社と取引し、地域でどんな役割を担っているか

「差別化しなければ」と考えると手が止まりますが、「比べる材料を足す」と考えれば、今ある事実から書き出せます。入社数年目の社員に、何を任されてきたかを聞くところから始めると、脚色のない材料が集まります。

打ち手3:選考の前と途中に、仕事を見せる場をつくる

辞退が多いときは、面接の回数を増やすより、働く様子を見てもらえる場を1回挟むほうが効果的です。マイナビの調査では、インターンシップや仕事体験を実施した企業のうち、採用予定数の半数以上がすでに確定している企業は51.9%で、実施しなかった企業(26.4%)の約2倍でした。

内定を出したあとも、接点を途切れさせないことが大切です。同じ調査で、2027年卒の内定辞退対策として実施を予定している企業がもっとも多かったのは「内定者懇親会(食事会等)」(72.1%)でした。社員との座談会や職場見学、先輩との面談も、実施した企業の満足度が高い対策として挙がっています。

参照:マイナビ「2027年卒 企業新卒採用活動調査」

あわせて、選考の日程を短くすることも効果があります。ほかの会社の選考が並行して進んでいる求職者にとって、結果の連絡が遅い会社は、それだけで後回しになるからです。

打ち手4:入社前の説明と、入社後の実際をそろえる

早く辞める理由の一つは、入社前に聞いていた話と、入社後の実際のずれです。選考中に、配属先、最初の1年の仕事、教える担当者を具体的に伝えておくと、入社後の「こんなはずではなかった」を減らせます。

入社後の関わり方も大切です。厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」では、若手の正社員を定着させるための対策を行っている事業所は73.7%で、もっとも多い対策は「職場での意思疎通の向上」でした。たとえば、入社1年目は先輩社員と月に1回、仕事の悩みを話す時間を決めておくだけでも、困りごとを早く拾えます。

参照:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」

家族や友人に自分の会社を説明できる材料があることも、働き続ける理由です。「地元のあの活動を応援している会社」のように、社員が誇りを持って話せる取り組みがあると、社外で会社のことを話すきっかけが増えます。

採用の入口づくりに|千葉ロッテマリーンズの3つの強み

打ち手1の「求人を出す前に社名を知ってもらう」方法の一つとして、千葉ロッテマリーンズのスポンサーシップを紹介します。千葉県や首都圏で、若い世代に社名を知ってもらいたい中小企業に向いています。

強み1:千葉での圧倒的な影響力|県民のおよそ10人に1人がファン

千葉ロッテマリーンズは、千葉県に本拠地を置く唯一のプロ野球球団です。千葉県に住む18〜79歳(推計513.9万人)のうち、約55.2万人がマリーンズを応援しています。県内のプロ野球ファンに限ると、4人に1人がマリーンズファンです。

  • 会員の68%が千葉県・東京都に住んでいる(千葉県49.3%、東京都18.9%)

  • 千葉市・船橋市・柏市など県内13市とフレンドシップシティ協定を結んでいる

  • 球団公式SNSは5媒体合計で177万フォロワー超、試合中継や情報番組への出演は年間100番組以上

球場に来た人だけでなく、中継やSNSを通じて、採用したい人が暮らし働いている地域に社名を届けられます。

参照:パシフィックリーグマーケティング「球団に関する調査(2025年度)」

強み2:来場者も会員も伸び続けている

  • 年間来場者数は2019年の1,665,891人から、2025年は1,873,323人に(約20.7万人増)

  • 1試合平均の来場者数は23,463人から26,018人に、入場率は78.4%から87.0%に

  • 会員数は28.1万人から約66万人と、6年で約2.4倍に

参照:NPB「2025年 セ・パ公式戦 入場者数」、NPB「2019年 セ・パ公式戦 入場者数」

強み3:若年層の割合が12球団トップクラス

来場者の61.9%が10〜30代で、もっとも多い年代は20代です。2019年の45.7%から大きく伸びました。パシフィックリーグマーケティングの調査でも、マリーンズを応援する人のうち30代以下は44.1%で、調査回答者全体(30.0%)の約1.5倍と、12球団のなかでトップクラスです。

就職や転職を考える世代が中心なので、採用で出会いたい相手と重なります。前半で紹介した通り、協賛を知ってもらう効果は10〜20代で特に大きく表れます。

参照:パシフィックリーグマーケティング「球団に関する調査(2025年度)」

年間のご契約金額が一定以上の企業は、オフィシャルスポンサーとして「千葉ロッテマリーンズ オフィシャルスポンサー」の呼称を名刺・会社案内・採用サイトに載せられます。(使用前に球団へ確認が必要です)球場での採用説明会や、内定者とご家族の観戦招待など、打ち手3の「仕事を見せる場」としての使い方もあります。詳しくはスポンサー特典をご覧ください。

中小企業の採用についてよくある質問

求人サイトを増やせば、応募は増えますか?

社名を知られていないことが原因の場合、掲載先を増やしても応募は増えにくいです。求人サイトは「今まさに仕事を探している人」に届く仕組みなので、社名を知らない人にはあまり見つけてもらえません。求人サイトと並行して、探し始める前の人に社名を知ってもらう取り組みを組み合わせると効果的です。

給与で大手に勝てない場合、どうすればいいですか?

給与の見直しと並行して、条件表に載らない材料を増やします。任される仕事の範囲、転勤の有無、社長との距離など、中小企業だから出せる情報があります。前半で紹介した通り、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」と考える学生は少なくありません。仕事の中身が伝われば、条件以外の理由で選ばれる余地があります。

採用担当が1人しかいません。何から始めればいいですか?

まず、応募数・辞退数・3年以内の離職数を前年と比べ、いちばん人が減っている段階を1つ決めてください。4つを同時に直そうとすると、どれも中途半端になります。社名を知ってもらう取り組みや職場見学は、現場の社員に協力してもらうと、担当者1人の負担を減らせます。

若手の採用に絞った対策はありますか?

あります。20代の若手は、仕事の選び方や情報の集め方に特徴があり、それに合わせた伝え方が必要です。詳しくは若手採用が難しい理由と打ち手で紹介しています。

まとめ

中小企業の採用が難しいのは、求人倍率が高いなかで、知名度・条件の比べられ方・選考中の辞退・入社後の定着という4つの場面に課題が重なりやすいためです。裏を返せば、力を入れるべきポイントはこの4つに絞られているということでもあります。まずは応募数・辞退数・離職数を前年と比べ、自社がどこで止まっているかを確かめてください。

止まっている段階が分かれば、打ち手は絞れます。特に応募が集まらない場合は、求人を出す前に社名を知ってもらう取り組みから始めるのが近道です。千葉県や首都圏で、若い世代に社名を知ってもらいたい場合は、千葉ロッテマリーンズのスポンサーシップもご検討ください。「どんな人を、いつまでに採りたいか」をお聞かせいただければ、目的に合う組み合わせをご提案します。ご相談はお問合せ・資料請求までご連絡ください。

お気軽にお問合せください

貴社の課題に近いテーマで、同規模・同業種の活用例をご紹介します。
一緒に考えるところからでもお気軽にご相談ください。

※ ご相談はオンライン・球場見学・対面のいずれにも対応しています。
※ ご検討中の段階でも、活用イメージのご提案だけでご訪問することもできます。

cta_background