Z世代マーケティングとは?特徴と3ステップの手法・事例
この記事では、Z世代がどんな世代なのかを公的な調査データで確認したうえで、Z世代に届けるための手法を3つのステップに分けて紹介します。実際に口コミから大きく広がった事例と、ステルスマーケティング規制などの注意点もまとめました。
この記事でわかること
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Z世代の年齢と、データで見る4つの特徴
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「見つけてもらう」「試してもらう」「話題にしてもらう」の3ステップの手法
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成功事例と、ステマ規制などの注意点
Z世代とは|何歳の世代か
Z世代は、おおむね1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指します。区切り方は資料によって少しずつ違い、中小企業基盤整備機構の「J-Net21」では「1990年代半ば〜2010年代に生まれた世代」、若者研究機関のSHIBUYA109 lab.では「1996〜2012年生まれ」としています。2026年時点では、10代前半から30歳前後にあたります。
参照:J-Net21(中小企業基盤整備機構)「Z世代の特徴や傾向」、JBpress(SHIBUYA109 lab.所長インタビュー)
人数でみると、日本の15〜29歳の人口は約1,818万人で、総人口の約15%です。
ミレニアル世代との違いは「SNSが先にあった」こと
ひとつ上のミレニアル世代は、検索エンジンとウェブサイトが情報の中心だった時代に社会に出ています。知りたいことがあれば検索し、企業のサイトで確かめる、という順番が身についています。
一方、Z世代は物心がついたときからスマートフォンとSNSが身近にありました。自分で調べるより先に、SNSで流れてくる投稿で知る、という情報の受け取り方をしています。この違いが、広告の効き方の違いにつながっています。
データで見るZ世代の4つの特徴
特徴1:SNSを見る時間が、全年代平均の約2倍
総務省の調査によると、平日に「ソーシャルメディアを見る・書く」時間は、全年代の平均が34.7分なのに対し、10代と20代はいずれも67.0分でした。休日になると、20代は88.6分に伸びます。利用率も高く、Instagramは20代の78.0%、TikTokは10代の65.7%が使っています。
参照:総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
特徴2:検索より先に、SNSで見つける
SHIBUYA109 lab.が15〜24歳の女性に聞いた調査では、お出かけする場所や体験を見つける手段は、Instagramが64.6%、TikTokが39.0%で、検索エンジン(28.8%)を大きく上回りました。
参照:SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNS利用最新動向2025」
同じ傾向は海外でも見られます。Googleの幹部は2022年、社内調査をもとに「若い人の約40%は、ランチの店を探すときにGoogleマップや検索ではなく、TikTokやInstagramを使う」と発言しています。(米国の18〜24歳が対象)検索がなくなったわけではありませんが、何を検索するかを決めるきっかけが、SNSに移っているのです。存在を知らないものは、そもそも検索されません。
特徴3:企業の発信より、使った人の投稿を参考にする
15〜29歳の363人に聞いた調査では、購入のきっかけになったSNS投稿は「一般ユーザーの口コミ・レビュー」が42.9%で最も多く、「ブランド公式の投稿」(24.4%)や「SNS広告」(14.3%)を大きく上回りました。企業が自分で伝えるより、実際に使った人の投稿のほうが、判断材料として扱われています。
参照:株式会社TaTap「Z世代のSNS購買行動調査」(2026年8月)
特徴4:体験を写真に撮り、投稿する
Z世代は、その場でしかできない体験を写真に残し、SNSで共有します。SHIBUYA109 lab.が20〜24歳の学生に聞いた調査では、ライブやコンサートに行った人の39.5%が、その体験をSNSに投稿していました。体験は写真とともに投稿され、それを見た友人が次に足を運ぶきっかけになります。
参照:SHIBUYA109 lab.「Z世代のナイトタイムエコノミーに関する意識調査」
4つの特徴をまとめると、Z世代には「広告を増やす」より、「使った人や行った人が投稿したくなる材料を用意する」ほうが届きやすいということです。
Z世代マーケティングの手法|3つのステップ
短尺動画、インフルエンサー、UGC(ユーザーがつくるコンテンツ)、体験型イベントなど、手法はたくさんあります。ただ、並べただけでは自社がどれを選ぶべきかが決まりません。「見つけてもらう」「試してもらう」「話題にしてもらう」の3つのステップに分けると、次の一手を選びやすくなります。
ステップ1:見つけてもらう
SNSの中で、商品やサービスの存在を知ってもらうステップです。主な手法は次のとおりです。
公式アカウントの運用:Instagram、TikTok、Xで、商品の使い方や裏側を発信する
短尺動画:15〜60秒ほどの縦型動画で、最初の数秒で興味を引く
インフルエンサーへの依頼:ターゲットに近いフォロワーを持つ人に紹介してもらう(「PR」などの表示が必要)
ハッシュタグの設計:投稿する人が迷わないよう、付けてほしいハッシュタグを決めて案内する
ただし、このステップだけを強くしても広がりは止まります。知ってもらった人がすぐに試せる入口がないと、興味はその場で流れて終わってしまうためです。
ステップ2:試してもらう
「知っている」を「一度使った」に変えるステップです。無料サンプリング、体験ブース、試供品の同梱などが当てはまります。
オンラインの広告と違うのは、実物が相手の手に渡ることです。手元にあるものは写真に撮れるので、ステップ2はステップ3の材料をつくる工程でもあります。配る場所も大切で、街頭で受け取ったものはそのまま鞄に入って忘れられがちですが、その場で使う理由がある場所で受け取ったものは、その日のうちに使われ、投稿されやすくなります。
ステップ3:話題にしてもらう
投稿されるかどうかは、商品の良し悪しだけでは決まりません。投稿する理由があるかどうかで決まります。投稿する理由になるのは、次の3つです。
その日にしかない出来事:後からでは体験できないので、その場で投稿したくなる
写真として映える背景:商品だけでなく、場所ごと写真に収めたくなる
一緒にいる相手:友人や家族と過ごす時間は、会話や写真として残りやすい
ステップ1と2は自社の中で完結しますが、ステップ3だけは、この3つがそろう「場」が自社の外に必要です。そのため3つのステップの中で最も手薄になりやすく、予算がステップ1に偏りがちです。
自社はどこで止まっているかを確かめる
そもそも知られていないなら、ステップ1が課題
知られているのに使われないなら、ステップ2が課題
使われているのに広がらないなら、ステップ3が課題
広告の費用対効果が悪くなると、ステップ1の広告を増やしたくなります。しかし、止まっているのがステップ2や3なら、増やした分はそのまま無駄になりやすくなります。まず、どこで止まっているかを確かめてください。
Z世代マーケティングの成功事例
スターツ出版|読者のTikTok投稿で、4年前の小説が10万部を突破
2016年に発売されたスターツ出版の小説『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、2020年6月ごろから10代の読者がTikTokで感想を投稿したことで話題になりました。3か月で7.5万部を増刷し、発行部数は約2.5万部から10万部を突破しました。出版社が広告を増やしたのではなく、読んだ人が自分の言葉で紹介したことで広がった例です。
参照:TikTok Japan 公式note、スターツ出版 プレスリリース(2021年7月)
Chipotle|「その日だけ」の企画で、6日間に25万本の投稿
米国のメキシカンファストフードチェーンのChipotleは、2019年の「アボカドの日」に合わせて、TikTokでダンスを投稿してもらう企画「#GuacDance」を実施しました。6日間で25万本を超える動画が投稿され、再生数は約4.3億回にのぼりました。ワカモレ(アボカドのディップ)の提供数は80万食を超え、同社にとって過去最高の「アボカドの日」になりました。「その日にしかない出来事」を用意して、投稿する理由をつくった例です。
Z世代マーケティングの注意点
依頼した投稿には「広告」の表示が必要(ステマ規制)
2023年10月1日から、広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)は景品表示法違反になりました。企業がインフルエンサーなどに依頼したり、謝礼を渡したりして投稿してもらう場合は、「広告」「PR」などと分かるように表示する必要があります。規制の対象は、依頼した企業(広告主)です。違反すると、消費者庁から措置命令を受けることがあります。
参照:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
表示を付けると見てもらえなくなるのでは、と心配になるかもしれません。先に紹介した15〜29歳への調査では、「#PRが付いていると参考にしない」と答えた人は13.2%でした。表示を隠すリスクのほうがはるかに大きいといえます。
参照:株式会社TaTap「Z世代のSNS購買行動調査」(2026年8月)
投稿を広告に使うときは、投稿者の許可をとる
お客さまの投稿を、自社の広告や店頭、サイトで使いたい場合は、投稿した本人の許可が必要です。あとから一人ずつ許可をとるのは手間がかかるため、投稿を募集する時点で「投稿を公式アカウントや広告で紹介することがあります」と、使い道を書いておくと進めやすくなります。
「やらせ」に見える企画は逆効果
投稿を無理にお願いしたり、決まった文面を投稿させたりすると、見た人にはすぐに伝わり、かえって信頼を失います。企業ができるのは、投稿を「させる」ことではなく、投稿したくなる材料と場を用意することです。
Z世代に届けるなら|千葉ロッテマリーンズの3つの強み
ステップ3の「その日にしかない出来事」「写真として映える背景」「一緒にいる相手」の3つが同時にそろう場所の一つが、プロ野球の球場です。ここからは、千葉ロッテマリーンズのスポンサーシップを例に、Z世代に届ける場としての強みを3つのデータで紹介します。
強み1:千葉での圧倒的な影響力|県民のおよそ10人に1人がファン
千葉県に住む18〜79歳のうち約55.2万人がマリーンズを応援しており、県内のプロ野球ファンの4人に1人がマリーンズファンです。球団公式SNSは5媒体合計で177万フォロワーを超え、そのうちYouTube・Instagram・TikTokの動画・画像系3媒体が80.6万を占めます。球場で生まれた体験が、SNSを通じて球場の外にも広がります。
参照:パシフィックリーグマーケティング「球団に関する調査(2025年度)」
強み2:来場者も会員も伸び続けている
年間来場者数は2019年の1,665,891人から、2025年は1,873,323人に(約20.7万人増)
1試合平均の来場者数は26,018人、入場率は87.0%
会員数は2019年の約28万人から、2025年は約66万人に(2.4倍)。19〜29歳の会員は2.5倍超に増えた
参照:NPB「2025年 セ・パ公式戦 入場者数」、NPB「2019年 セ・パ公式戦 入場者数」
強み3:若年層の割合が12球団トップクラス
千葉ロッテマリーンズの来場者の61.9%が10〜30代で、もっとも多い年代は20代です。2019年は45.7%だったので、若い世代が大きく増えています。パシフィックリーグマーケティングの調査でも、マリーンズを応援する人のうち30代以下は44.1%で、調査回答者全体(30.0%)の約1.5倍と、12球団のなかでトップクラスです。
若い世代が楽しめる球場づくりも進めています。
夏の特別イベント:DJや花火の演出で球場が野外フェスのようになる。参加した20代の満足度は96%
音楽と照明の演出:DJブースを常設し、試合中も音楽が流れる
仲間と過ごせる席:グループ席を毎年増やし、席から注文できるモバイルオーダーも導入
参照:パシフィックリーグマーケティング「球団に関する調査(2025年度)」
球場では、来場者に社名入りのグッズを配る「来場者配布グッズ」(1回あたり2万人以上に手渡し)や、一軍公式戦に社名を冠し球場内外で1日まるごとPRを展開できる「冠協賛試合」など、3つのステップのそれぞれに使える接点があります。詳しくは商品・サービスをご覧ください。
Z世代マーケティングについてよくある質問
Z世代は何歳から何歳までですか?
決まった定義はありませんが、おおむね1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指し、2026年時点では10代前半から30歳前後にあたります。調査や資料によって区切り方が違うため、施策を考えるときは年齢より「どんな情報環境で育ったか」で捉えるほうが実用的です。
インフルエンサーに依頼するときの注意点は?
依頼や謝礼を伴う投稿には、「広告」「PR」などの表示が必要です。(2023年10月からのステマ規制)規制の対象は依頼した企業なので、表示の仕方を事前に取り決めておきましょう。また、フォロワー数だけでなく、フォロワーの年代や興味がターゲットと合っているかを確認してください。
BtoB企業にもZ世代マーケティングは必要ですか?
商品の販売だけでなく、採用の場面で必要です。就職や転職を考える若い世代も、SNSで企業の雰囲気を調べています。採用の文脈で若い世代に届ける方法は、若手採用が難しい理由と打ち手で紹介しています。
まとめ
Z世代は、1日の多くの時間をSNSに使い、検索より先にSNSで商品や場所を見つけ、企業の発信より使った人の投稿を参考にする世代です。広告を増やすより、「見つけてもらう」「試してもらう」「話題にしてもらう」の3つのステップのうち、自社がどこで止まっているかを確かめ、そこに手を打つことが近道です。
とくに手薄になりやすいステップ3には、「その日にしかない出来事」「写真として映える背景」「一緒にいる相手」がそろう場が必要です。若い世代が集まる球場で、商品を試してもらい、話題にしてもらいたい場合は、千葉ロッテマリーンズのスポンサーシップもご検討ください。ご相談はお問合せ・資料請求までご連絡ください。